Google広告のターゲティングの種類・活用法を具体例つきで解説

広告は多くの場合、ただ出稿しているだけでは十分な効果が得られません。Google 広告には、広告を適切なユーザーに適切な場所・タイミングで届けるための、さまざまな設定が用意されています。

そのうちの1つが「ターゲティング」です。

広告を出稿したが思うように効果を得られていないという場合、もしかすると広告のターゲティングに問題があるのかもしれません。

広告効果を高めていただくために、今回は、Google広告のターゲティングについて解説します。

ユーザーの指定が可能な「オーディエンスターゲティング」(7種類)

「オーディエンス」とは、特定の興味や関心、属性を持つと推定されるユーザーの集合体を指します。

「オーディエンスターゲティング」は、この「オーディエンス」を指定することによって、適切なユーザーに広告を表示させるための仕組みです。

オーディエンスターゲティングには、以下の7種類があります。

  1. 詳しいユーザー属性
  2. アフィニティ セグメント
  3. 購買意向の強いセグメント
  4. ライフイベント
  5. データ セグメント
  6. カスタム インテント セグメント: 自動作成(ディスプレイ)
  7. カスタム セグメント

なおGoogleは、オーディエンスに関する用語について、2021年に変更を発表しました。

オーディエンスに関する用語やフレーズの更新 – Google 広告 ヘルプ

現在でも旧来の呼称で説明しているサイトも少なくありませんが、本記事ではこれからGoogle広告について学ぶ方の混乱を防ぐため、変更後の呼称に統一して説明をおこないます。

1.詳しいユーザー属性

「詳しいユーザー属性」によるターゲティングは、Googleが収集したユーザーデータにもとづき、共通の特徴を持つユーザーを指定して広告を配信する方法です。

たとえば、以下のような基準でユーザーを分類し、特定の属性をもつユーザーに絞って広告を表示させることが可能です。

  • 子どもの有無(子どもがいる場合、子の年齢はいくつか)
  • 配偶者の有無
  • 教育(最終学歴)
  • 住宅所有状況(住宅所有、賃貸)

たとえば子ども向けの学習塾を運営している場合、子どものいないユーザーに広告を配信するよりも、小学校〜高校に通う子どもをもつユーザーに広告を配信した方が、効果が上がりやすくなると考えられます。

2.アフィニティ セグメント

「アフィニティ セグメント」によるターゲティングは、ユーザーの検索行動データなどにもとづき、生活様式や趣味・習慣などの基準でユーザーを指定して広告を配信する方法です。

「スポーツ、フィットネス」「テクノロジー」「ニュース、経済」や「買い物好き」など、個人の価値観を強く反映したさまざまなセグメントが用意されており、特定のトピックに強い関心をもっているユーザーに向けて広告を表示できます。

たとえば、最新のガジェットに関する広告を届けるために、「テクノロジー」に関心のあるユーザーのうち、「ハイテク好き」を選択するなど、ユーザー層の細かい指定も可能です。

3.購買意向の強いセグメント

「購買意向の強いセグメント」によるターゲティングは、広告対象の商品・サービスの類似商品を調べているユーザーや、購入を前向きに検討しているユーザーを指定して広告を配信する方法です。

「アフィニティ セグメント」と比べると、対象となるユーザー数は少なくなるものの、より購入段階に近いユーザーに広告を表示させることが可能です。

購入見込みが高いユーザーに広告を表示できるため、上手く活用することで、コンバージョン率(成約率)の向上が期待できます。

4.ライフイベント

「ライフイベント」によるターゲティングは、人生における大きな節目に際して情報収集しているユーザーを指定して広告を配信する方法です。

一般に、職業の変化や家族構成の変化などが、ライフイベントに当たります。

ライフイベントが訪れる重要なタイミングを捉えることで、ユーザーに対して適切なメッセージの広告を表示することが可能です。

Google広告で選択できるライフイベントには、たとえば、以下のようなものがあります。

  • 大学卒業
  • 引っ越し
  • 結婚
  • 企業

ライフイベントを迎えたユーザーに対しては、さまざまなジャンルの商品・サービスのニーズ喚起が可能です。

たとえば「結婚」というライフイベントを目前に控えたユーザーは、結婚式の準備の他、指輪の購入や新しい家具の購入など、結婚後の新生活に関連した購買行動をとる可能性が高くなります。

5.データセグメント

「データセグメント」によるターゲティングは、サイトやYouTube動画、スマホアプリにアクセスしたことのあるユーザーなど、すでに自社の商品・サービスに興味をもっていると思われるユーザーを指定して広告を配信する方法です。

また、自社の商品・サービスに興味をもっているユーザーに似た特性をもつユーザー(類似ユーザー)にも、広告を表示できます。

「ある商品について検索した後しばらくは、別のページを見ていても該当商品や類似商品の広告が表示される」という現象は、このセグメントでのターゲティングによるものです。

広告をクリックして商品を購入してもらうだけでなく、頻繁に目に留まることでユーザーの記憶に残り、将来的に購入してもらえるという効果も期待できます。

なお、従来は「リマーケティング」という名称で呼ばれていました。

6.カスタム インテント セグメント

「カスタム インテント セグメント」によるターゲティングは、Googleの機械学習により、自社の商品・サービスに適したユーザーを指定して広告を配信する方法です。一定期間広告を運用していると、自動的に作成されます。

複数のカテゴリが「おすすめ」として表示されるので、自社の商品・サービスに合ったカテゴリを選択して活用するとよいです。

7.カスタムセグメント

「カスタムセグメント」によるターゲティングは、自社の商品・サービスに関連する具体的なキーワードやURL、アプリ名を設定し、独自にユーザーを指定して広告を配信する方法です。

アフィニティセグメントで選択できるカテゴリよりもさらに対象ユーザーを絞りたい場合などに使用できます。

キーワードやURLには、類似商品の名前や競合他社のサイトURLなども指定できるため、他社の動向などを分析してうまく活用することで効果的な広告配信が可能になります。

 

ここまで、ユーザーの属性や行動を基準に広告表示対象をターゲティングする「オーディエンスターゲティング」について解説しました。

次に、「どこに広告を表示するか」という切り口で広告表示対象をターゲティングする「コンテンツターゲティング」について説明します。

配信先の指定が可能な「コンテンツターゲティング」(3種類)

コンテンツターゲティングとは、どのようなサイトやページに広告を表示させるかを指定するターゲティングの手法です。

コンテンツターゲティングで配信先を指定する方法には、以下の3種類があります。

  1. トピック
  2. プレースメント
  3. ディスプレイ/動画のキーワード

一つずつ解説します。

1.トピック

「トピック」によるターゲティングは、広告を表示させたいサイトやページを、扱っているテーマ(トピック)によって指定する方法です。

指定したトピックを扱うサイトやページに訪れたユーザーに対し、広告が表示されます。

関連するトピックを扱う複数のページを広告の掲載対象にできるため、より多くのユーザーにリーチする可能性が高まるのが特徴です。

なお、広告表示先のサイト・ページのトピックはGoogleが分析して割り当てるため、自社で任意に決めることはできません。

2.プレースメント

「プレースメント」によるターゲティングは、広告を表示させたいサイトやページを、URLによって直接指定する方法です。指定したサイトやページに訪れたユーザーに対し、広告が表示されます。

キーワードの設定などが不要なため、まだニーズが顕在化していないユーザーにも広告を表示できるのが特徴です。

なお、複数の広告主が同じWebサイトやページを指定している場合には、より関連性が高い広告が表示されるため、表示先に合わせた広告内容を考慮する必要があります。

3.ディスプレイ/動画のキーワード

「ディスプレイ/動画のキーワード」によるターゲティングは、広告を表示させたいサイトやページを、特定のキーワードによって指定する方法です。

指定したキーワードに関連するサイトやページに訪れたユーザーに対し、広告が表示されます。

複数のキーワードを組み合わせることで、市場の動向や季節のイベントに合わせた広告配信が可能です。

 

ここまで、配信面を指定する「コンテンツターゲティング」について解説しました。最後に、その他のターゲティングについて説明します。

その他のターゲティング

Google広告で設定できるターゲティングのうち「オーディエンスターゲティング」「コンテンツターゲティング」に該当しないものには、以下3つがあります。

  1. 曜日・時間帯
  2. 地域
  3. デバイス

以下、1つずつ解説します。

1.曜日・時間帯

広告を表示させる曜日や時間帯を設定できます。

時間は15分刻みで設定可能です。

たとえば、BtoBの商品・サービスであれば、週末よりも平日、深夜よりも日中に表示した方が、対象ユーザーにリーチしやすいと考えられます。

2.地域

広告を表示させる地域を指定できます。

実店舗に集客したい場合や、地域によって呼び名が異なる商品を扱う場合などに有効です。

地域名で指定するだけでなく「特定の地点から半径○km」など、範囲での指定もできます。

3.デバイス

広告を表示させるデバイスを指定できます。

指定できるデバイスは「パソコン」「モバイル(スマホ)」「タブレット」「テレビ画面(ゲーム機やChromecastなどの、テレビに接続して使用するデバイス)」の4種類です。

たとえばスマホで使用するアプリの広告を配信する場合、パソコンよりもスマホでの表示を多くした方が、対象ユーザーにリーチしやすいと考えられます。

特定のデバイスを指定するだけでなく「すべてのデバイスに表示させるが、スマホにはとくに多く広告を表示させる」といった設定も可能です。

適切なターゲティングが広告効果改善のカギになる

この記事では、Google広告で設定可能なターゲティングの種類について解説しました。

限られた広告予算で最大限の成果を挙げるためには、いかに自社の商品・サービスを知ってもらうべきユーザーに広告を届けるか、つまり「いかに適切なターゲティングをおこなうか」が重要です。

そのためには、単純にターゲティングを一つ設定すれば解決する訳ではなく、PDCAを回しながら複数のターゲティングを組み合わせることで、サービスに合った適切なターゲティングを見つけることができます。

更に、適切なターゲティングをおこなうには、自社の商品・サービスの分析だけでなく、市場ニーズや競合の状況といった外部要因を的確に分析し、広告運用のPDCAを回していく必要があります。

弊社デジタルチェンジには、分析・改善に長けた広告運用のスペシャリストが集まっています。

今までに対応したクライアント様のビジネスに合ったターゲティングのナレッジがあるため、貴社の状況に合致した適切なターゲティングによる広告運用をご提案します。

広告運用でお困りの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。