リスティング広告の効果を良くするポイントを課題別に改善例付きで解説

昨今、大きな注目を集めているWeb広告の中でも、リスティング広告は極めて大きな存在です。多くの企業が導入していますが、思うような成果が得られないという声も頻繁に聞こえてきます。そして、改善策が分からないという声も少なくありません。この記事では、そういった悩みの解決に役立てられるよう、改善ポイントなどを詳しく解説します。

リスティング広告運用の改善フロー

限られた予算の中で、最大限に成果を出すためには何をするべきでしょうか。ここでは最適化の流れを、順を追って解説します。具体的な改善策も説明しますので、現在リスティング広告を運用中の方もご参考にされてください。

1.課題を明確にする

まずは、現状を正確に把握しなければなりません。設定した目標と実際の成果との乖離を明らかにしましょう。表示回数(インプレッション)、クリック数やクリック率、獲得件数(コンバージョン)などの数値まで目標を設定しているのであれば、それぞれを成果と比較してください。そうした細かい数値の目標が未設定であれば、まずは設定することから始めるとよいでしょう。これが、運用における大きな指針となります。
目標と成果の数値を分析し、問題点を考察します。数値をじっくりと見ていると、成果が上がらない原因が見えてくる筈です。「表示回数は多いのに、クリックされていない」、「クリック数は多いけど、コンバージョンに繋がっていない」、「そもそも、ユーザーの目に触れる機会が少ない」など、ボトルネックとなっている部分を洗い出してください。具体的な問題点が分かれば、改善策も具体的に考えられるようになります。

デジタルチェンジでは、運用型広告の最適化を進めていく際、まずはデータが集まりやすい粒度の大きいカテゴリから分析を開始します。

粒度の小さいキーワード分析などから対応してしまうと最適化のスピードが遅くなってしまったり誤った判断をしてしまったりするからです。

広告配信をしている媒体/キャンペーンから分析をすることで予算アロケーションや比率調整でパフォーマンスが改善することもあります。

粒度の大きいカテゴリの分析及び施策が完了したら徐々に分析軸をドリルダウンして次の課題を明確にしてきます。

また、「コンバージョン数が少ない」「CPAが高い」「CVRが低い」「CPCが高い」などの大きな課題を抽出します。

課題の要素分析をしていき、どこにボトルネックがあるのかを見つけ出し、課題に対する施策を提案致します。

2.改善施策を提案する

問題点が明らかになったら、それを改善するための手段を考えます。一挙にすべての問題を解決することは難しいので、段階や項目ごとに分けて、一歩ずつ着実に解決できるよう努めてください。
ボトルネックとなっている問題点に対して、それぞれピンポイントで効果が出せる施策を行います。具体的には「キーワードを追加する」、「広告文を修正する」などの施策がありますが、これらは後ほど詳しく解説します。予算、リソースには限りがあるので、実行する施策に優先順位を付けなければなりません。どの課題を解決することが、最も成果に繋がるかを考えて決定しましょう。ポイントとしては、母数の大きい部分から最適化施策を実施することです。そうすることで、パフォーマンス結果の反映スピードが上がっていきます。

3.施策を実行し結果を振り返る

施策を実行したら、必ず行わなければならない工程です。短期・中期・長期といった期間に分けるなど、さまざまな角度から検証してください。ABテストの実施も効果的です。成果が出ていれば、成功例として重要なデータにもなります。成果が出ないと判断した場合は、施策や注目する数値を変えるなどの対策が必要になります。そうした試行錯誤の経験も、重要な資産です。それらを繰り返し、蓄積していくことで施策の精度が上がっていくでしょう。

インプレッションが少ない場合の改善ポイント

ここからは、課題別に解決策の具体例を解説していきます。まずはインプレッションが少ない場合、つまりユーザーに見られていない場合です。
注意点として、インプレッションは多ければよいというものではないということは憶えておいてください。表示される広告やコンテンツの質が低いと、その後の数値が伸び悩んでしまいます。

デジタルチェンジではインプレッションを確認する時、パフォーマンス状況も加味するようにしています。アカウント全体のCPAよりも2倍以上かかっているものは注意して監査します。ただし、配信を止めるのではなく、インプレションが高いキーワード専用に新たなキャンペーンを別で設けてチェックするといった対策をとります。アカウント構成そのものを細分化することで、個々で分析がしやすくなるだけでなく、アカウント内部で起きているキーワード同士の衝突を回避し、幅広く配信されるようになります。

※ただし、細分化をし過ぎると逆にパフォーマンスが低下する恐れもあるので注意が必要です。

インプレッションがリスティング広告で取れない時は他の媒体で認知/想起の方に予算を充てることで限られた予算を有効的に活用することができます。

キーワードを増やす

インプレッションが少ない理由の一つに、設定しているキーワードとユーザーのニーズとのギャップがあります。キーワードが検索されないため、表示される機会が少ないのです。検索クエリなどを利用し、ユーザーが求めているキーワードを見つけ出して設定してください。
この際、キーワードを増やそうとやっきになるあまり、無駄なキーワードを含ませることがないよう注意してください。時には、除外キーワードを設定することも必要となるでしょう。

デジタルチェンジでは、新しいキーワードを探す際、基本はCVベースで考えます。

例えば、「外壁塗装 塗装の種類」、などでCVがあった場合、この”種類”というキーワードは、他に種別、分類、など言い方がたくさんあるので、言い換えたキーワードで効果が期待できないか検証します。他にも、「外壁 ひびわれ」で検索するユーザーは、「外壁 コーキング」などで検索する可能性も考えられます。このように、横展開できるキーワードを入れていくようにします。

マッチタイプを変更する

マッチタイプの設定は、インプレッションが多い順に部分一致、フレーズ一致、完全一致の3種類があります。ただし、部分一致、フレーズ一致はクリック率やコンバージョン率に悪影響を及ぼす可能性もあります。マッチタイプを変更することで、キーワードに対して積極的な潜在ユーザーに対しアプローチできるため、インプレッションを増やすことにも繋がります。ただし、先に述べた通り、インプレッションは多ければよいというものではないので、バランスを考慮する必要があります。

ちなみに、デジタルチェンジでは部分一致を多用しています。悪影響を及ぼす可能性があるのは確かですが、これは適切なクエリ精査ができていない場合です。デジタルチェンジでは、クエリ精査もしっかりと行うため、部分一致のマッチタイプでも効果的な広告運用が可能です。

品質スコアを向上させる

品質スコアとは広告、キーワード、ランディングページの品質を示す数値のことで、これを高めることで、広告掲載順位が上がる、クリック単価が安くなるといったメリットがあります。これを上げるには、クリック率を上げる、キーワードと広告文やランディングページの関連性を高める、ページの読み込みを速くするといった総合的な施策が必要になります。

入札単価を引き上げる

検索される回数は多いのに、インプレッションが少ないというときに効果が期待できる施策です。掲載順位が低く、2ページ目に掲載されているときなど、絶大な効果を発揮することがあります。掲載順位が上がり、1ページ目に表示されるようになることで、必然的に多くの人の目に触れるようになるからです。逆に、既に掲載順位が高い場合は、あまり効果がありません。

入札単価の調整を実施する場合は、広告の掲載順位などをしっかりと確認して進めましょう。

クリック率(CTR)が低い場合の改善ポイント

インプレッションは問題ないのに、クリックされないというときはどうすればよいのでしょうか。

代表的な改善ポイントとして「広告文」と「キーワード」の見直しが挙げられますが、それ以外にも「広告表示オプションの設定」があります。デジタルチェンジでは掲載範囲の占有率が上がるため最大限活用をします。

その他にも、ユーザーがクリックしたくなるような施策を以下で解説します。

広告文を見直す

広告文の内容がキーワードとかけ離れていると、ユーザーの興味を引けません。キーワードを検索した人の属性を詳しく想像し、それに見合った広告文を掲載する必要があります。また、商品やサービスの魅力がしっかりと伝わる、共感しやすい、消費欲を刺激する、などユーザーの心にささる文章を書くことも大切です。文章のクオリティにも気を配ってください。

また、LPとの関連性も広告文を作成するときは重要なポイントです。LPの内容と異なる訴求文を載せてしまうと、関連性が低下し、クリック後の離脱を生む要因となってしまうので注意が必要です。

キーワードを見直す

広告やランディングページと関連性の低いキーワードは、クリック率が上がりません。クリック率が低いキーワードが放置されていると、全体のクリック率も下がってしまいます。成果が期待できないキーワードは、停止させましょう。こうしたキーワードは、品質スコアなどにも悪影響を及ぼします。ユーザーのニーズを見極め、的確なキーワードを設定することは、総体的な広告効果の向上にも繋がります。
運用型広告の世界では、「競合に勝つこと」を常に意識する必要があります。デジタルチェンジは獲得単価が合わないキーワードの停止や除外など、無駄を削減することに力を入れています。必要に応じて、商材の価格やターゲティングの変更を提案させていただくこともあります。

コンバージョン率(CVR)が低い場合の改善ポイント

クリックされているのにコンバージョンには至らないというのは、最も避けたい事態です。クリックによって料金が発生しているのに、成果が得られなければビジネスとして成立しません。

コンバージョン数を増やすための施策として特にボトルネックになりやすいのはLPです。競合の入札状況や競合がガイドライン違反をしているといった外的要因が影響することもありますが、そうした競合排除の対策もデジタルチェンジは対応しています。

LPの改善には長い時間がかかるため、CPC、KW絞り込んで、CVRの高いところに予算を充てながら中長期的な視点で最適化を行います。また、デジタルチェンジではGoogleアナリティクスを活用した定量分析による課題発見や、クリックマップの活用した改善提案を行うことでLPそのものの最適化を行うことも可能です。

キーワード・広告文・ランディングページの繋がりを深める

キーワードと広告文の関連性を高めても、その先のランディングページとの関連性が低ければ、コンバージョンには至りません。最後まで一貫性を持たせるよう心がけましょう。コンバージョン率が低いのは、ランディングページに本来のターゲットとは異なるユーザーを誘導してしまっているという可能性があります。ランディングページとの関連性を意識し、キーワードと広告文を見直してみてください。離脱率が高いまま放置していると、品質スコアの低下にもつながり、掲載順位が下がる可能性があります。

ランディングページを見直す

ランディングページの質に問題があるケースも存在します。デザインが分かりにくい、商品やサービスの魅力がしっかりと伝えられていない、ユーザーの疑問に対する答えがない、といった場合です。まず、ファーストビューで、どういったページなのかが誰にでも分かるようにするとよいでしょう。FAQコーナーなどの設置も効果的です。ページの表示速度、スマートフォン対応などにも配慮しなければなりません。ランディングページの改修は簡単ではありませんが、コンバージョン率向上のためには非常に重要なポイントです。

デジタルチェンジでは、ランディングページの改善案も提示させていただいております。費用をいただければ、Googleアナリティクスとクリックマップを加味して入れ替えや新規のコンテンツ追加行うことが可能です。

まとめ

他のビジネスと同様、リスティング広告の運用も多くの工程を踏み、試行錯誤を繰り返しながら目標に向かって進んでいきます。ぜひ、この記事も参考に改善に役立ててください。専門的な事項について不安が拭えない場合は、デジタルチェンジにお問い合わせください。リスティング広告運用に関する豊富な経験とノウハウに基づき、適切なサポートをご提供します。