SNS広告を検討していて、「費用対効果が見込めるのだろうか」という疑問を抱いている方はいるのではないでしょうか。
また、すでに広告を配信していて「効果が出ていない」と感じている方もいるかもしれません。
この記事では、SNS広告の費用対効果を高める方法やSNS別のポイント、効果測定のために必要な指標について解説します。
各媒体の特徴やよくある質問にも回答していますので、ぜひ最後までご覧ください。
SNS広告の費用対効果を高める方法
ここでは、SNS広告の費用対効果を高める方法について解説します。
SNS広告で効果的にアプローチするには、どのような方法があるのでしょうか。
商品やペルソナに合った適切な媒体を選ぶ
SNS広告においては、媒体選びが重要です。
SNS広告を出稿する媒体は、以下を基準に選びます。
- 商品のターゲット層が利用するもの(年齢や性別等)
- 商品の特性に合ったもの
- 配信目的にかなうもの
- 予算に合うもの
SNS広告で商品の特性をアピールするなら、動画で商品を見せられるTikTokや言葉のインパクトで勝負できるXが向いています。イメージや世界観を重視したい商品なら、画像や動画が中心であるInstagramを選ぶとよいでしょう。
見込み客の育成がSNS広告を配信する目的であれば、利用者数が多いLINEやターゲティングが容易なFacebookを選ぶのがおすすめです。
フリークエンシーを最適化する
フリークエンシーとは、「頻度」です。SNS広告におけるフリークエンシーは、1人のユーザーが同じ広告を見た回数を表します。
広告に触れる回数が多ければユーザーの印象に残りやすくなりますが、回数が多すぎるとしつこく感じられる危険性が高くなり、クリック率が低下することも考えられます。
しかし、フリークエンシーは数値が高ければ必ず悪いというわけでもありません。フリークエンシーが高まることでユーザーのアクションを引き起こし、コンバージョンに繋がることもあります。
そのため、フリークエンシーが上昇した際、クリック率やコンバージョン率に変化がないかを注視することが重要です。
Facebook広告やInstagram広告は、キャンペーンの目標によってはフリークエンシーキャップの設定が可能です。フリークエンシーキャップとは、1人あたりのフリークエンシーを制限する機能です。
その他、クリエイティブを定期的に追加して検証する、フリークエンシーの数値に合わせてターゲットを広げるといった調整を加えることでも、フリークエンシーを最適化することが可能です。
リターゲティング配信を行う
リターゲティング配信とは、商品・サービスをすでに知っているユーザーに対して広告を配信することです。Webサイトを訪れたユーザーは商品・サービスに興味がある可能性が高いため、成約率(CVR)が高くなる傾向があります。
一般的に、SNS広告はリターゲティング配信を行うためのオーディエンスリストを作成することができ、そのリストを溜めることでリターゲティング広告の配信が可能です。
リターゲティング広告のオーディエンスリストには、LPへの遷移リストなどを使用するケースが多いですが、動画クリエイティブの再生完了数などをリストにして配信することでパフォーマンスが改善することもあります。
ただし、上記のオーディエンスリストにはすでに購入している方も含まれるため、購入者のリストを除外設定する等、購入者に対して広告が当たらないようにする設定が必要です。
PDCAを回す
広告は、当初の見込みどおりに効果が得られるとは限りません。媒体選びや広告内容、フリークエンシーの設定などに問題が見つかれば、広告の設定や内容を修正する必要があります。
P(Plan)段階でKPIを設定し、D(Do)で出稿した広告の結果をC(Check)して目標が達成できなかった原因に対して仮説を立てます。
仮説を元にA(Action)を起こして改善します。このサイクルが、SNS広告を効率良く運営するために必要です。
具体的には、「クリエイティブテストを5日~1週間の期間で検証する」「年齢セグメントを分けた広告セットを同時に配信して検証する」など、目的に合わせて期限を設けたテストを行うことで、PDCAを素早く回すことができます。
【媒体別】費用相場・目安
SNS広告の費用相場を、媒体別に表にまとめました。
各媒体とも複数の課金方法がありますが、ここではCPCとCPMのみ表記しています。なおCPCとは1クリックあたりの費用で、CPMとは1,000回広告が表示された際の費用です。
媒体名 | 費用目安(単位:円) | |
CPC | CPM | |
100〜200 | 500〜2,000 | |
40〜100 | 500〜3,000 | |
X(旧Twitter) | 24〜200 | 400〜650 |
LINE | 24〜200 | 200〜1,000 |
TikTok | 30〜100 | 300〜1,000 |
上記はあくまでも一般的な目安の数値になります。
例えば、「人材」や「金融」等の競合他社の出稿量が多い業界では、CPMが5,000円~以上と上昇することは珍しくなく、それに伴いパフォーマンスを担保するために、広告への投資額も比例して確保する必要があります。
その他、ターゲティングや配信クリエイティブによってもCPMやCPCの数値は変動するため、競合他社に引けを取らない質の高いクリエイティブを用意することが求められます。
【媒体別】費用対効果を高める投稿のポイント
SNSの特性やユーザー層は、SNSごとに異なります。したがって広告の費用対効果を高める方法も、前述の一般的な手法以外に各SNSごとに独自の方法があります。
ここでは、投稿内容に関して考慮すべきポイントを各SNSごとに解説します。
Facebook広告|ビジネス商材と課題への気づき
日本におけるFacebookの利用者は、中高年層が多い傾向があります。主に直接会ったことのある「友達」との交流に利用される傾向があり、商品・サービスを探すための利用はそこまで盛んではありません。
一方、ビジネスパーソンが多く、企業アカウントの運営も活発という特徴があります。
Facebookに掲載する広告の表示フォーマットは、種類が多いのが特徴です。一般的な静止画広告や動画広告に加え、10本まで動画や画像の配信ができるカルーセル広告などを選択可能です。
比較的高価格帯の商材や、ビジネス商材を訴求するのに向いているでしょう。
その他、Instagram広告と比較してCPMが低い傾向にあるため、Instagram広告と一緒に配信するケースも多いです。
Instagram広告|女性向けの世界観
Instagramは画像や動画を訴求するのに向いており、テキストで注目を集めるのは困難と考えられます。女性に人気のSNSであり、飲食、ファッション、観光業界などの広告がマッチするでしょう。
いわゆる「インスタ映え」のする美しい画像や、「かわいい」と感じさせるアイテムの画像を使用した女性に共感を呼びやすい世界観が広告作成のポイントです。
広告だけではなく、誘導するWebサイトもInstagramの世界観が壊れないように作り込む必要があります。
近年では、男性向けに「脱毛」や「AGA治療」を訴求する広告も出稿量を伸ばしているため、男性向け商材でも十分獲得が期待できる媒体でもあります。
X(旧Twitter)広告|高いAGAIN拡散性を活用
Xの特長は、高い拡散性です。ハッシュタグの使用やリポスト(再投稿)によって、幅広いユーザーにリーチできます。
X上で話題になっているキーワードを集めたトレンドを参考にしてハッシュタグやワードを決めたり、リアルでインパクトのあるコピーを用いたりすることで広告の拡散を図ります。
テレビCMや番組と連携して、広告を出すことも効果的です。
ただし現在のXは有料プランが導入され、「Xプレミアム」では広告数が削減され、「Xプレミアムプラス」では[おすすめ] と[フォロー中]のタイムラインに広告が表示されません。
ターゲットを設定する際には、有料プランを選択しているユーザーにはリーチできない可能性があることに注意しましょう。
LINE広告|友達感覚と楽しさ
LINEは、スマートフォンを中心に展開されているサービスです。家族や友達との交流に使用しているケースが多く、SNSに不慣れなユーザーも多く存在します。
友達に語りかけるような楽しさを演出したコンテンツ、ビジュアル中心で文字数の少ないコピーを使用した広告がLINEでは有効です。
広告のバリエーションを多くし、LINEだけの特典を用意することも効果的でしょう。
またLINE広告では、通常のSNS広告と異なりLINE公式アカウントの友達追加を増やす「友だち追加広告」もあります。
購入やお問い合わせよりもハードルが低いことから、低単価で友だち追加を獲得できるケースも多く、自社保有データを増やす目的でも活用されています。
TikTok広告|ユーザー参加型でUGCに期待
TikTokは若年層やファミリーでの利用が多く、発信することを楽しみ、お互いに影響し合うユーザーが多いSNSといえるでしょう。
積極的なユーザーによるUGC(User Generated Content)を期待できるため、自社商材を活用してもらうキャンペーンが効果的です。
インフルエンサーを起用したUGCの展開も、キャンペーンを盛り上げる手段として検討できます。
クリエイティブの傾向としては、オーガニック投稿に類似したトンマナであるUGC風の動画クリエイティブが強く、認知/獲得ともにトレンドが続いています。
動画を用意する必要があるため少しハードルが高い媒体ですが、広告代理店と連携して良いクリエイティブを作成、検証することで、高いパフォーマンスが期待できます。
SNS広告の費用対効果を測定する指標と計算式
SNS広告の成果を測定・把握するための指標として、代表的なものにROASとCPAがあります。
ここでは、それぞれの意味と計算式を紹介します。
ROAS(広告の費用対効果)
ROASは、英語のReturn On Advertising Spendの頭文字を取った略語です。日本語では「広告の費用対効果」となります。
投じた広告費に対して、売上の割合がいくらになったかを測る指標で、次の計算式で表されます。
ROAS = 広告によって得られた売上 ÷ 広告費 × 100(%)
主にECサイトを運用するD2Cブランド等で重要視される指標になります。
CPA(顧客獲得単価)
CPAは、英語のCost Per Acquisitionの頭文字を取った略語です。日本語では「顧客獲得単価」といわれています。
顧客1人を獲得するために費用がいくらかかったかを測る指標で、次の計算式で表されます。
CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数
商品購入・資料請求・Webサイトへの問い合わせなどさまざま項目をコンバージョンとして設定できるため、CPAの捉え方は戦略によって異なるでしょう。
SNS広告に関してよくある質問
ここでは、SNS広告に関するよくある質問の一部を紹介します。
SNS広告のデメリットは?
SNS広告のデメリットとして代表的なものに、「炎上」や「著作権侵害」があります。
コンテンツを作成する際には、広告の内容をきっかけとした炎上や著作権や肖像権の侵害によるトラブルに注意が必要です。
炎上がCVに影響し、広告が逆効果になる場合もあるため注意しましょう。
モニタリングを実施し、PDCAを回して改善することが重要です。
SNS広告の効果について論文などの裏付けはある?
SNS広告の作り方や媒体の選定について、公開されている研究論文の一例を紹介します。
情報処理学会・電子図書館
科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)
論文は著作権保護の対象であり、私的利用以外の複製や無断での変更が禁止されています。ご利用の際には注意してください。
リスティング広告とどっちが良いの?
結論、商材や配信目的によって異なります。
基本的には、ブランドキーワード等にも配信ができるリスティング広告の方がCPAが低くなりやすいと言われていますが、ビジュアルで訴求した方が態度変容が起きやすいもの(ファッションや美容など)に関しては、SNS広告の方がパフォーマンスが高くなることも多いです。
またある程度マーケティング予算を確保できる場合は、SNS広告とリスティング広告を同時並行で実施することがほとんどで、媒体ごとの特性を活かしながら、パフォーマンスを高めていくことが多いです。
ご自身のビジネスやご予算によって、適切な配信媒体は異なるため、まずは広告代理店へ相談してみることをおすすめします。
SNS広告の費用対効果を高める方法とは?媒体別の費用相場・ポイント|まとめ
今回は、SNS広告の費用対効果を高めるための方法や、媒体別の費用相場についてご紹介しました。
SNS広告の費用対効果を高めるためには、商材のターゲット層に合った媒体と課金方法を選択し、効果的な広告を配信することが重要です。
デジタルチェンジは、費用対効果の高い広告運用を支援します。
クリックやスクロールをユーザーの感情表現のひとつと定義し、ターゲット選定と解決インサイトに寄り添った費用対効果の改善を徹底的に行います。
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