広告のコンバージョン率(CVR)目標はどうする?平均値や改善施策を解説

コンバージョン率(CVR)とは、WebサイトやWeb広告がどれだけ成果を上げているかを測る指標で、Webマーケティングにおいては重要な指標です。

この記事では、コンバージョン率の基本と改善方法について詳しく解説しているので、WebサイトやWeb広告の運用担当者は、ぜひ成果の向上に役立ててください。

コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン率(CVR)とは、Webマーケティングで使われる用語の1つです。WebサイトやWeb広告が、どれだけ成果を挙げたのかを表します。

クリックやアクセスの数に対して、「商品購入」や「資料請求」「会員登録」などのコンバージョン(成果)が何割あったかで測ります。

コンバージョン率の計算方法

例えば、Webサイトでは「アクセス数のうち何%がコンバージョンに繋がったか」を計算します。従って、「コンバージョン数÷アクセス数×100」で算出されるパーセンテージがコンバージョン率です。

また、リスティング広告では通常、クリック数を基準に考えるため、「コンバージョン数÷クリック数×100」で計算します。

 

コンバージョン率を分析すれば、WebサイトやWeb広告がうまく機能しているかわかります。数値が低いときは、Webサイトのコンテンツやコンバージョンに至るまでの導線、Web広告の広告文やキーワード設定が適切ではない可能性があります。

コンバージョン率は、基本的にディスプレイ広告よりもリスティング広告の方が高いですが、自動車ディーラーのカタログ請求、試乗予約、懸賞、抽選、イベントなどではディスプレイ広告の方が良いこともあります。

業種によっても異なりますが、クリック単価はリスティング広告で100円-300円程度、ディスプレイ広告で30円-100円程度が目安です。リスティング広告のほうが高価ですが、コンバージョン率はリスティング広告で1%-3%、ディスプレイ広告で0.1~0.3%ほどになります。

コンバージョン率(CVR)の目標設定はどうするか

WebサイトやWeb広告の運用において、コンバージョン率をどの高さに目標設定するかは非常に重要です。あまりにも低い目標だと利益が伸びず、運用コストばかりかかってしまいます。

一方、高過ぎる目標だと到達が困難となり、数値によっては現実的に実現不可能な場合もあります。目標設定をするには、適切なコンバージョン率の把握が必要です。

ちなみに、Webサイトを開設してすぐの場合、目標は低めに設定したほうが良いでしょう。Webサイトは運用と並行してコンテンツの充実やユーザビリティの改善をおこない、適切な数値まで引き上げていくのが一般的です。

Web広告の場合、出稿の仕方とWebサイトの内容がしっかり噛み合っていれば、運用開始から短期間でコンバージョン率が上がるケースもあります。しかし、多くのWeb広告は、運用をしてから初めてわかる数値を参考に、広告文やキーワード設定を改善していくのが普通です。

いずれにしても、コンバージョン率を最初から高くするのは難しいでしょう。しかし、正しく改善していけば、コンバージョン率の最適化に繋がります。

参考となる平均値について

実際にコンバージョン率の目標を設定するにあたって、平均値を知りたいという人は多いでしょう。しかし、業界や取り扱う商材、コンバージョンの内容など様々な要素によって、数値は大きく異なります。

海外のデータになりますが、MarketingSherpaというサイトが発表した業界別の平均コンバージョン率では、コンサルティング・金融関連が10%であるのに対し、小売やECは3%という数値です。

一方、WordStreamという別のサイトで発表されているGoogle広告のコンバージョン率は、金融が4.17%、小売店(雑貨店含む)が4.23%となっています。

調査対象や統計方法に違いがあるので単純な比較はできませんが、重要なのは業界ごとに平均値は大きく異なるうえ、同じ業界でも調べ方によっては変動する可能性があるということです。

また、コンバージョンをどこに設定するかも大きく影響します。「高額商品の購入」と「無料の資料請求」という2つのコンバージョンがあれば、後者のほうがコンバージョン率は上がりやすいでしょう。

このように、絶対的なコンバージョンの平均値を見つけることは非常に困難といえます。

目標設定するときの目安

絶対的な平均値がわからなくても、ある程度の目安がなければ目標設定も難しいでしょう。自社の業界・商品に関するコンバージョン率の参考データが少ない場合、おおよそ1〜3%程度を目安に設定するのが一般的です。

先程紹介した海外サイトのデータでも1%を下回る数値はないため、どんな業界・商品でも決して実現不可能ではない目標でしょう。

また、ユーザーの流入経路によってコンバージョンの傾向はある程度予想できます。自然検索や検索型広告から流入するユーザーは、「商品が欲しい」「他社と比較したい」「問題を解決したい」など、アクションを能動的に起こしやすい心理状態である可能性が高いといえます。

ユーザーのニーズに沿うサイトや広告を提示できればコンバージョンに繋がりやすいため、少し高めの目標設定をしても良いでしょう。

一方、ディスプレイ広告(他サイトやアプリに表示される広告)は「他のことをしているときに、表示された広告がたまたま気になって覗いてみた」というユーザーがほとんどです。今すぐなにかしたいという意欲が薄く、コンバージョン率も上がりにくいため、目標設定も低めが良いかもしれません。

流入経路以外には、自社の優位性がどれだけあるかも重要なポイントです。指名検索ワード(企業名やブランド名、サービス名など自社ならではのキーワード)を検索するユーザーは購入意欲が高いため、目標設定を10%程度にする場合があります。

コンバージョン率(CVR)の改善施策

コンバージョン率の目標を設定したら、実際にWebサイトやWeb広告を運用して、目標に到達するよう改善を続けていきます。目標の数値に到達しても、常に改善を続けなければ数値はすぐに下がってしまうでしょう。

コンバージョン率に影響を及ぼすポイントは複数あります。Webサイトのコンテンツや機能性、Web広告ならキーワード設定や広告に使う文章やイラスト・動画などが挙げられるでしょう。

「バナーを少し変えただけで数値が劇的に上がった」というケースも少なくありません。些細な点を改善するだけでも、コンバージョン率を大きく向上させることは可能です。

サイトコンテンツを修正する

Webサイトのコンテンツは、とくに重要な改善ポイントです。商品購入にしても資料請求にしても、コンテンツに魅力がなければ、ユーザーはアクションを起こす前にサイトから退出してしまうでしょう。

Webサイトを閲覧するユーザーが欲しいものは「情報」です。質が高く、正確でユーザーの役に立つ情報をコンテンツにしましょう。

数値や引用元を提示するなど、わかりやすく根拠のある内容にすることが重要です。イラストや図・グラフを使って解説したり、重要部分の文章を装飾したりするのも有効です。

とくに、ユーザーがサイトを訪れて最初に見る部分(ファーストビュー)は大切です。目につくイラストやキャッチコピーなどを使い、ユーザーにとっていかに有益なコンテンツであるかを強調しましょう。

ファーストビューに魅力がないと、ユーザーは何も見ずにサイトを退出してしまいます。

コンバージョンまでの導線を見直す

コンバージョンまでの導線について

移し、コンバージョンに行き着くかを意識したサイト設計をしましょう。

先述したようにコンテンツの魅力は大切ですが、その「魅力的なコンテンツ」を、どのような順番で展開していくかも大切です。「もっと知りたい」「読み進めたい」と思わせるような構成を組み立て、ユーザーの気持ちを盛り上げていくことがコンバージョン率を上げるコツとなります。

対面での営業なら、相手の表情や受け答えから、自分の対応も柔軟に変えられます。しかし、Webコンテンツはユーザーが「自分には不要だ」と思えばすぐに読むのをやめてしまえるため、いかにストレスなく読み進められるかが重要です。

情報の内容はもちろん、段落の組み方やイラストの配置なども意識しましょう。

フォームを改善する

コンバージョン達成の前段階にあるのが、申し込みの入力フォームやボタンです。せっかくユーザーの意識をコンバージョンに向けさせても、フォームやボタンがわかりにくいものだとユーザーは面倒になって申し込みを辞めてしまいます。

フォームやボタンを目立つデザインにして、他のコンテンツ部分とはっきり区別がつくようにしておくことは基本といえるでしょう。また、入力欄があまりにも多い場合や、入力方法が面倒なものも、ユーザーは敬遠してしまいます。入力すべき項目は最低限にして、ユーザーのモチベーションを削がないような工夫が必要です。

ユーザーがフォームの入力と送信をためらう要素を排除し、取りこぼしがないようにしましょう。

あわせて、デジタルチェンジでのフォーム改善事例をご紹介します。

webサイトからの会員登録を目的として配信した広告において、Googleアナリティクス上のデータを確認したところ、フォーム到達率の改善が必要と判断し、フォームへ誘導させる仕掛けを施したLPを制作しました。その結果、フォーム到達率は約4倍、完了率は約4.7倍に上昇させることができました。

その他、Facebook/Instagram広告の遷移先をLPではなく入力フォームに変更したところ、CVR(コンバージョン率)を約6倍に上昇、CPA(クリック単価)を74%に低下させることができました。

広告のキーワード設定を変更する

Web広告の場合、広告を表示するキーワードの設定を見直すと、コンバージョン率も改善する可能性があります。

Web広告で主流であるリスティング広告は、検索結果画面の上位に表示されます。どのキーワードの検索結果に表示するのか決められるため、適切に設定できればターゲットとなるユーザーに絞って広告を見てもらえます。

しかし、ランディングページ(広告から流入したユーザーが最初に見るページ)の内容がキーワードにそぐわなければ、コンバージョンにも繋がりません。

適切なキーワードを設定するほか、除外キーワードの設定などで「ターゲットではないユーザー」の流入を防ぎましょう。

キーワードとの親和性で訴求軸を変える必要があるので、そのタイミングで新しいランディングページを作成するのがおすすめです。

新しいランディングページを作る目安は既存のランディングページでコンテンツを用意していないキーワード郡でのCV獲得割合が20%程度ある場合です。複数の店舗があるビジネスでは地域ページがあるとよいでしょう。

ただし、ランディングページを分けてしまうと一つの広告キャンペーンに集まらず分散してしまうことがあるので、慎重に進めるようにしてください。

広告文・クリエイティブを調整する

広告文の内容も重要で、キーワードと一致している内容にするのはもちろんですが、ユーザーが「詳しく知りたい」「クリックしたい」と思うような文章を作る必要があります。

キーワード設定と同じように、ターゲットにならないユーザーが間違って入ってこないよう、どのような商材なのかが明確な広告文にするのが基本です。ディスプレイ広告の場合はイラストや動画を使うケースもありますが、これらも広告文と同じように「わかりやすさ」に注意しましょう。

ただし、広告は「説明」ではなく「ユーザーを惹きつける」ことが主な目的です。わかりやすさより、あえてキャッチーで印象に残る内容にしたほうが良い場合もあります。

まとめ

コンバージョン率の平均値や、いかに改善していくかを解説しました。

コンバージョン率は業界や商材など様々な要因に左右されます。一概にはいえませんが、最初は1〜3%を目安に目標設定をしましょう。コンバージョン率を上げるための施策には、何よりもユーザーファーストの視点が重要です。

役立つコンテンツを用意し、ニーズに沿ったユーザーを的確に呼び込むのはビジネスの基本ですが、Webマーケティングならこれらの施策も数値に基づいて進められます。

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