リスティング広告の費用相場|広告予算の目安を決める3つの方法

リスティング広告は申し込みが手軽にでき、始めるのは簡単ですが、成果を出すように運用するためには事前準備が必要です。そしてその事前準備において重要なことのひとつが予算の決定です。今回はそんなリスティング広告予算の目安の決め方を解説します。リスティング広告を初めて利用する方などの参考になれば幸いです。

リスティング広告費用はクリック課金制

まずは前提知識として、リスティング広告費用の課金方法について知っておきましょう。リスティング広告は、広告費の支払いにクリック課金制がとられています。この課金方法はPPC(Pay Per Click)と呼ばれることもあります。意味はその名の通り、クリックごとに広告費が課金されるということです。この仕組みにより、リスティング広告は比較的費用対効果を高めやすい広告ということができます。少なくとも、高額な料金を払って広告を掲載したが何の成果もないというリスクを抑えることが可能です。

また、課金される広告費はクリックごとに変動します。それは、リスティング広告は広告枠への入札で掲載されるからです。簡単にいえば、オークションに参加し、競合に競り勝つことができたら広告が検索結果の上位に表示される仕組みになっています。オークションに参加している広告主の状況などによって、支払う広告費は変化するのです。

以上のような特徴をもつリスティング広告では、同じ期間広告を掲載していて、クリック数が同じだったとしても、クリック単価により、広告費の合計が異なることがあります。その計算方法は、以下の通りです。

リスティング広告の広告費(合計) = クリック数 × クリック単価(クリックあたりの広告費)

ちなみに、クリック単価はリスティング広告の用語で「CPC(Cost Per Click)」と呼ばれることもあります。リスティング広告にはこのような専門用語が多いので、徐々に覚えていくとよいでしょう。

ではクリック単価の費用相場はいくらか?

リスティング広告の広告費の計算には、クリック単価が関係することは分かりました。では、クリック単価の費用相場はいくらぐらいなのでしょうか。

上述のように、クリック単価はオークション次第であるため、特定の金額を示すことは困難です。また、広告の商材やその業界、季節などによっても違い、場合によっては単価が10円程度になる可能性もありますし、1,000円を超えることも考えられます。

さらに、リスティング広告の入札では、キーワードごとにその上限額を設定することができます。Aというキーワードにはクリック単価100円まで出してよいが、Bというキーワードには50円までしか出したくない、といった設定です。つまり、仮にクリック単価の相場が高めの商材だったとしても、必ずしもその相場と同程度の金額を支払う必要はないのです。

そうはいっても、広告を出稿したらどの程度クリック単価がかかるのか、知っておきたい場合もあるでしょう。キーワードごとのクリック単価であれば、ツールを使って参考金額を確認することができます。この方法については、後ほど解説します。

目標CPA(顧客獲得単価)から決める

リスティング広告予算の目安を決めるには、まず目標CPAから決める方法があります。しかし、そもそも「CPA」とは何でしょうか。

これは「Cost Per Acquisition」の略で、日本語では「顧客獲得単価」とも呼ばれます。CPAの意味を理解するには、「CV(コンバージョン)」について知っておく必要があります。CVとは、ユーザーによるお問い合わせや申し込み、商品の購入など、サイト上で達成したい目的のことをいい、リスティング広告はこのCVを増やすように運用するのが一般的です。そしてCPAとは、このCV1件あたりの費用を意味します。

では目標CPAの話に戻ります。目標CPAは、その名の通り目標とするCPAの金額です。目標CPAを用いて、リスティング広告予算の目安は以下の式で算出することができます。

予算の目安 = 目標CPA × 目標CV

この式の意味は「CV1件にいくらまで広告費をかけることができて、その金額でいくつのCVが欲しいか」ということです。もちろん、これはあくまで予算の目安を決めるためのシミュレーションであり、実際には広告掲載開始後、クリック単価の金額やCVの獲得状況に応じて、目標CPAを柔軟に変更します。

ちなみに目標CPAの決め方について、基本的には販売価格や粗利率などから決めますが、何度も同じユーザーによる購入が発生するような、いわゆるリピート商材の場合、「LTV(ライフタイムバリュー)」から算出する方法もあります。LTVとは、ユーザーの最初の購入から最後の購入までにもたらされる利益のことです。この数字を仮定して、そこに粗利率をかけることで、目標CPAを算出できます。

LTVと、それを基にしたCPAを算出する式は、以下です。

LTV = 購買単価 × 頻度 × 期間

目標CPA = LTV × 粗利率(%)

CPC(クリック単価)から決める

リスティング広告予算の目安は、クリック単価からも決めることが可能です。すでに解説したように、クリック単価にクリック数をかけると、広告費の合計を出すことができます。この金額を事前にシミュレーションすれば、それをそのまま予算の目安として考えられるということです。

広告掲載開始後は、クリック単価は平均も含めて自動的にデータとして算出されますが、開始前にはデータがないため、自分で算出することになります。そのための式は以下です(CPAとCVRの部分には、目標値や想定値を入れます)。

CPC(クリック単価) = CPA × CVR

※CVRとは「クリック数に対してどれだけの割合CVを獲得したか」という数値です。コンバージョンレートとも呼ばれます。

ただ、上記で算出した数値は、実状との乖離が大きくなる可能性もあります。もし、もう少し信ぴょう性のあるクリック単価を参考にしたいのであれば、ツールを使って数値を出すのがひとつの方法です。

例えば、Google広告が提供している「キーワードプランナー」というツールが利用できます。このツールでは、特定のキーワードでどの程度クリック単価がかかるのか、参考金額を調べることができます。またクリック数もシミュレーションすることができるので、広告予算の目安を決めるための要素は揃うことになります。

リスティング広告での費用対効果を最優先に考え、最適化をベースに考える場合はクリック数ベースで予算を決定していくこともできます。最適化を行う上で必要な母数の基準として3,000クリックを弊社では基準としています。リスティング広告の平均的なCVRは3%程度となるので3,000クリックさせた場合のCV(コンバージョン)は90件となります。90件のコンバージョンデータが集まればどのキーワードでのパフォーマンスが良いのか悪いのか、どの原稿文が良いのか悪いのかを判断することができます。

※業種によりCVRは変動します。あくまで参考数値としてお考え下さい。

全体予算から決める

最後に解説するのは、広告運用期間を設定し、その期間全体の予算目安を決める方法です。基本的にはこれまで解説してきたように、目標CPAやクリック単価などを用いた算出方法を利用します。ただここで重要なのは、期間を設定するということです。例えば1か月を広告運用期間に設定し、その期間全体の目標CPAやクリック単価、目標CV数やクリック数を考え、予算目安を算出・決定します。

ちなみに追加情報として、重要指標を分解した式を以下にご紹介します。

  1. 目標CPA(コンバージョン単価) = CPC(クリック単価)÷ CVR(コンバージョン率)
  2. 目標CVR(コンバージョン率) = CPC(クリック単価)÷ CPA(コンバージョン単価)
  3. 目標CPC(クリック単価)= CVR(コンバージョン率) × CPA(コンバージョン単価)

業界によってCPC(クリック単価)が高騰している!

クリック単価が業界によって違うことにはすでに触れましたが、特定の業界で高騰することもあります。不動産、保険、英会話などはクリック単価が高いといわれるので、広告を出す場合は先にツールで調べるなどしたほうがよいでしょう。

もし、クリック単価があまりに高い商材だったり、広告予算の目安を出したが、実際にはそんなに広告費をかけられなかったりするのであれば、リスティング広告の優先順位を落とし、他のマーケティング施策に注力するのもひとつの手です。ディスプレイ広告やSNS広告のクリック単価の方がはるかに安価な場合もあります。リスティング広告が必ずしもベストではなく、重要なのは、マーケティング全体で費用対効果を最大化することだからです。

まとめ

今回は、リスティング広告予算の目安を決める方法について解説しました。広告出稿の事前準備において、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

メールでのお問い合わせはこちら

電話でのお問い合わせはこちら

ページトップへ